お知らせ

子供の歯並びと歯科検診

2020.7.29

  • 叢生咬合
  • 空隙歯列

医療法人社団歯友会 赤羽歯科 戸田診療所 歯科医師の武田です。

突然ですが、こんな調査結果が存在します。

調査の目的:乳歯から永久歯へと移行する際に正常な歯並びになる確率はどれくらいか?
調査の対象:口腔内が全て乳歯であり、視診またX線診査にて虫歯が全く存在せず、かつ全身疾患もない小児。さらにその後
      虫歯にもならず、事故にも合わずに無事に永久歯へと全てが移行できた小児。
調査人数:86名
調査項目:正常歯列(重なりもなく、隙間もない整然と並んでいる歯並び)
     空隙歯列(永久歯の間に隙間を認めるもの)
     叢生歯列(歯と歯が重なりあい、ズレを生じているもの)
調査結果:上顎に関しては正常歯列52.3%、叢生歯列33.7%、空隙歯列14%
     下顎に関しては正常歯列51.2%、叢生歯列37.2%、空隙歯列11.6%
     上下別で考えれば、正常歯列は約半数であるが、上下噛み合った状態での正常合はなんと約35%であった。

 ちょっと読みたくなくなるようなデータを出しましたが、何が言いたいかと申しますと、子供の約65%は歯並びが悪くなるということです。半分以上が何もしないと歯並びが悪くなってしまうのです。虫歯を治療し、フッ素を塗って歯を強くする、ということだけを行っていればいいということではないのです。

歯並びが悪くなりそうなお子さんへの治療

  • 反対咬合
  • 反対咬合

実際にどのようなことをするのでしょうか。簡単に少し紹介させていただきます。

叢生咬合の場合

叢生咬合は特に前歯で多く見受けられます。
歯並びを良くする手段と言うと、真っ先に思いつく言葉は“矯正”ではないでしょうか?
ワイヤーを付けて、30~100万円ほどかけて歯を動かす、簡単に言えば矯正とはそのような治療です。
成人の歯並びを改善するのは矯正治療になります。ただし、“後戻り”と言って動かした歯はなんと元に戻ろうとするのです。矯正治療終了後は、見えないようにワイヤーで固定、もしくは夜に取り外し可能なマウスピースを付け続ける必要があります。
しかし、歯の萌出期、乳歯から永久歯に移行するタイミングで歯を並べてしまえば、そのような心配も少なくなるのです。
つまり“後戻り”が起きにくいということです。起きたとしても許せる範囲内である可能性が高いのです。
邪魔している乳歯を抜く、少し乳歯を削合する、顎を広げる装置をつける。
以上のように適切な時期に、適切な処置を行うことで、矯正せずとも叢生咬合を回避できる可能性があります。

反対咬合の場合

反対咬合とはいわゆる“受け口”といって下の顎が、上の顎よりも前に突き出した状態です。
また歯全体ではなく、一部だけかみ合わせの状態が反対になることもあります。
全ての歯が乳歯の状態で反対になっているケースでは早くから治療介入した方がいい場合があります。マウスピース様のものを装着することで簡単に状態が改善することもあります。ただし、遺伝性のものも多く、下顎骨の過成長により最終的には
再治療をしなければならないこともあります。

虫歯がなくても、定期的な歯科受診が必要な子供の割合は65%ということ

  • 開口咬合
  • 過蓋咬合

以上簡単に叢生咬合と反対咬合について説明しましたが、このように治療の適切な介入時期に適切な治療をすることによって、簡単に歯並びがよくなってしまうことはあります。歯並びがよくなるように神に祈っているだけでなく、定期的に歯科検診を受診し、適切な時期を歯科医が見極める必要があります。

もちろん、指しゃぶり癖・口唇を噛む癖・口呼吸などの習癖がある場合はそれを改善しなくてはなりません。そのような習癖も歯並びを悪くする要因になりうるのです。
患者さん自身が、何が歯並びに影響するのか、適切な時期はいつなのかを判断することは極めて難しいと思われます。
虫歯がなくてもフッ素塗布による歯の質の強化、さらには歯並びのため、定期的なお子様の歯科受診をおすすめいたします。