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歯周病から学ぶコロナとの共存

2020.6.29

目次

赤羽歯科戸田診療所、院長の三井です。

いまだ収束の見えないコロナの猛威,完全な撲滅が難しいといわれている中,コロナとの共存がクローズアップされつつあります。

人体には,実に多くの種類の細菌が皮膚,口腔(口の中),消化管などに住みついており,口腔内だけでも700種類といわれてます。病原性(病気)になる細菌もいればそうでない細菌もいます。病原性(病気)にならないものを常在菌と呼びます。

21世紀になり,歯周病の病因論(原因)は変わりました。
歯周病は口の中の常在菌による感染症であり,共存(バランス)の崩壊が発症に関わっていると考えられており,ここにも共存がキーワードとなっております。

つまり,完治する病気ではないため,その治療は,細菌と歯周組織のバランスが崩れないように守り防ぐ予防管理医療へシフトしています。

21世紀になって,常在菌は我々の体の一部であり,共生パートナーであると考えられるようになりました。
重要なことは,常在菌は我々の免疫によって殺すこと(駆除)できないことです。
ところが,我々の免疫力の低下などを原因として,常在菌が病原性を発揮(病気になる)することがあります。
我々の免疫は常在菌を攻撃できないが,常在菌は我々を攻撃できるのです。

歯周病原細菌は以前より知られていましたが,それだけでなく,常在菌全体の高病原化(病原性の発揮)が歯周病の原因とされています。
それでは,どのような状態の時に口の中の常在菌が高病原化するのでしょうか?
   ・ブラッシング不足
   ・ストレス
   ・疲労
   ・睡眠不足
   ・喫煙
   ・口が乾く
   ・免疫力低下(糖尿病,ステロイド投与,有病者など)

以上のように,まずは口の中の清掃(歯ブラシ,定期健診)により必要以上に常在菌を増やさない。
そして,免疫力を落とさないことが重要です。
それによって,常在菌との共存が可能となるのです。

現在,世界を震撼しているコロナ!
ウイルスですので細菌とは異なりますが,同じコロナの感染者でも発病して亡くなられた方もいれば全く発病しない方もいます。
歯周病治療としての細菌との共存は,コロナとの共存へのヒントになるのではないでしょうか?

まずは,手洗い・うがいの徹底そして免疫力を向上させることがポイントではないでしょうか。