お知らせ

口の中の健康の大切さ

2020.12.25

目次

医療法人社団歯友会 赤羽歯科 戸田診療所 院長の三井です.
今回はお口の中の健康がいかに重要かお話しさせていただきます。

日本人の平均寿命(2018)は
女性…87,32歳
男性…81,25歳

女性は,香港に次いで世界2位
男性は,香港,スイスに次いで世界3位
となっております。

健康寿命

しかしながら,健康な国となると世界で一番「健康な国」はスペイン,2位はイタリア 。日本は4位なんだそうです。
寿命は,世界2位なのにどうして,健康な国となると順位がさがってしまうのででしょうか?

健康寿命という言葉をご存じでしょうか
健康寿命とは,心身ともに自立し,健康的に生活できる期間
(2000,WHO世界保健機関)
日本の健康寿命は(2016)
女性…74,79歳
男性…72,14歳

健康に関して後悔していること一位は…

平均寿命と健康寿命との差は,日常生活において健康でない,
自分で生活できない期間となります。
女性…約12年  男性…約9年

このことが,先ほどの「日本人は,長生きはするけれどそのわりには健康的ではない」理由になっております。

こんな,アンケート調査があります。
後期高齢者(75歳以上)の方に健康に関しての後悔したこと

1位…歯の定期健診を受けていればよかった
2位…スポーツなどで体を鍛えればよかった
3位…日頃からよく歩けばよかった

高齢になればなるほど,残っている歯の本数が多ければ生存年数(寿命)が長くなるというデータです。

10本以上歯がある人とそうでない人は,女性は,80歳 男性は,70歳を超えるあたりから寿命に差が出てくる。

つまり,健康寿命を延ばすには歯の健康がとても大切であるといえます。

健康の後悔1位もうなずけます。

歯を失う原因

では歯を失う(抜歯)原因は何でしょうか

1位…歯周病
2位…虫歯
3位…破折

以前は,虫歯がダントツでしたが近年は,歯周病がトップです。
それだけ昔より治療そのものが歯を残す傾向にあるとも言えます。一方で歯の構造的なトラブル(破折)も増えてきました。これは力の問題(歯ぎしり,食いしばり)が主な原因と考えられています。

これからの歯科治療は,歯周病,虫歯,破折,この3つがほぼ同じ割合になるであろうといわれてます。

虫歯は,見た目にも,症状(しみる,痛い)もわかりりやすいため,比較的早期に治療可能ですが,歯周病・破折は,見た目はもちろんのこと,症状も本人にはわかりにくいものです。

そこで,大切なのは,定期健診です。
歯周病の検査,レントゲン検査,クリーニングを定期的におこなうことによって歯周病予防,必要であれば治療をおこない,それでもよくないときは,破折を疑います。
今は,CT画像診断によってかなりの診断能力が向上しました。
以前に比べて早く対応できるようになりましたがまだまだ破折歯の保存は難しいのが現状です。
重要なのは,症状のない状態(ヒビ,傷みたいな)で今後その歯をどうしていくか,力のコントロールなど主治医とよく話し合うことです。

また,最近の研究では,50歳以上の歯周病患者と50歳以上の健康のボランティアを10年間追跡調査した結果,歯周病患者は健康な人に比べてアルツハイマー型認知症の発症リスクが1,7倍高いことがしめされています。

超高齢社会の今,より健康的に自立して生きていくうえで,お口の中の健康がいかに重要かおわかりいただけたでしょうか。

3ヶ月~6ヶ月の定期検診が長生きの秘訣かもしれません。