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親知らずについて

2020.10.26

目次

医療法人社団歯友会 赤羽歯科 戸田診療所 歯科医師の木造です。
皆さん親知らずと聞くと抜くのが大変、痛いなどと思われる方が多いと思います、ではなぜ親知らずは抜かなくてはいけないものがあり、また抜くのが大変なのか、親知らずについてまとめてみます。

親知らずとは?

親知らずとは8番目の永久歯(大人の歯)のことです。名前の由来は生えてくるのが20~25歳になるので、そのころには昔では親とは死別していることが多かったので親を知らない歯、親知らずと名づけられました。また別の言い方で智歯とも言います。これは英語で親知らずを表すwisdom toothを和訳したもので歯科の専門用語ではこちらをメインに使います。由来は同じく生えてくる年齢によるもので知識がついてくる頃に生えてくるということらしいです。

なぜ抜く必要があるの?

なぜ抜く必要があるのか、親知らずは昔人類が木の実や肉など固いものを中心に食べていた頃にはなくてはならないものでした、親知らずが生えてくる頃には他の奥歯はすり減ってしまい噛みづらくなってしまっており新しい奥歯、親知らずが必要だったのです。
しかし現在の食事は変化して穀物や加工された食品など軟らかいものが多くなってきました。そうなると使わない器官は退化していきます、4人に1人は親知らずが最初から形成されず、また同時に顎の骨も小さくなっていきました。
その結果親知らずが形成されても生えるスペースがなく、斜めもしくは真横に生える、骨の中に埋まったままになってしまうなどがおきるようになってしまいました。
ではどのような親知らずは抜かなくてはならないのか、全ての親知らずを抜く必要はありません、問題になってくるのは中途半端に生えてしまった親知らずです。歯茎は歯の根っこの部分とは付着していますが頭の部分とは付着しません、なので中途半端に生えた親知らずの周りには深い歯と歯茎の隙間が生まれてしまいます。そうするとここに口の中の食べかすや汚れなど汚染されたものが入り込んでしまい腫れたりしてしまいます。親知らずが痛いことの原因の大半がこの腫れによるものです。ひどくなると口を開けたり唾をのむのも辛いぐらい痛くなります。薬を服用したり掃除をすることで腫れを引かせることはできますが、一度なってしまうと再発をくりかえすので根本的な解決は抜いてしまうしかありません。
また斜めや横に生えた親知らずは歯磨きが困難なため虫歯になりやすく隣の歯も巻き込んで虫歯となったり、隣の歯を押して歯並びを悪くしてしまうなど、噛むという歯の機能を果たさないばかりか害ばかり与えてしまいます。こういったことから親知らずを抜く必要がでてきます。

抜くのは大変なの?

生え方によって変わります、上の親知らずや下でも比較的真っすぐ生えていれば抜くのは難しくなく短時間で終わります。横向きに生えていたりするとバラバラにして抜かなくてはならないのでおおよそ一時間半ぐらいかかり、抜いた後腫れや痛みが出る場合もあります。抜歯をしている最中は麻酔が効いているので痛みは基本的に無いです。
また年配で男性の方が顎の骨が固くなっていることが多く抜くのが難しいです。
下の親知らずの根っこは下顎管という顎の骨の中の神経と血管が入っている管と近接していることが多く、抜歯する際のリスクが高い場合は大学病院や総合病院の口腔外科に紹介させてもらいます。

最後に

親知らずのあたりが腫れたり痛みがある、真横に生えてしまっているなどがありましたら是非一度ご相談ください。一時的に症状が落ち着いても親知らずが時間がたてば治るということはありません。もし抜かなくてはならないとなると時間を要することが多いため,ゆとりのある時に治療することをおすすめします。