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シーラントについて

2021.4.30

目次

医療法人社団歯友会 赤羽歯科戸田診療所 歯科医師の木造です

突然ですが大人の歯が最も虫歯になり易い時期を知っていますか?

実は生えたてが一番虫歯になり易いのです。

今回は虫歯になり易い生えたての大人の歯を虫歯から守るシーラントについて書いていきます。

 

なぜ虫歯になり易いのか

大人の歯、つまり永久歯は6歳ごろから生え始めます、最初に前歯の生え変わりと子供の一番奥の歯のさらに奥から永久歯の奥歯(6歳臼歯)が生えてきます。

歯は最初から完成した状態では生えてきません。歯胚と言われる歯の種のようなものが徐々に成長しながら生えてきて、歯茎から出てきても成長を続けていきます。

つまり生えたての永久歯は未完成な状態であるということになります。

未完成の歯は歯の最も外側の層であるエナメル質が柔らかく、裂溝と呼ばれる歯の溝が深いのでそこに食べかすなど汚れがたまって虫歯になってしまいます。

シーラントはどのようにして虫歯から歯を守るのか

簡単に言うと虫歯になり易いところを埋めてしまうということになります。歯に接着することのできるレジンを使用し虫歯になり易い溝を埋めてしまいます。

シーラントの手順

歯に着けるレジンがしっかり接着できるかどうかが胆となります。レジンは汚れや水分が歯に残っていると強く接着できないので細心の注意を払います

具体的には

  1. シーラントする歯を徹底的にきれいにする
  2. 接着力を高めるために酸で歯の表面を粗造にする
  3. 唾液が入り込まないようガーゼなどを使用し防湿する
  4. シーラントをつめる
  5. 必要であれば噛み合わせの調整をして研磨する

以上の手順で行います。操作をしている間は口を開けたままにして頂く必要があるのが一番大変だと思います、歯を削ったりする訳ではないので麻酔などをする必要もないですし痛みもありません。

大切なのは

生えたばかりの永久歯がすぐに虫歯になってしまうのはとても悲しい事です。シーラントは予防という意味ではとても有効な手段であるので必要であれば是非して頂きたいです。しかし大切なのはシーラントがなくても虫歯にならないようなセルフケアができるようになることです。6歳ぐらいとなると一人で口の中をすべて管理するのは難しいので、親御さんがしっかり磨けているか確認する、間食などを控えさせるようにするなど指導してさしあげるのが重要です。またそれでも見逃してしまうことは多々ありますので是非定期的に検診に来てください